ディディの淫行疑惑とセレブたちの危うい関係
ディディ逮捕から始まった“ブラック・エプスタイン”騒動の全貌

米国の音楽業界で長く頂点に君臨してきたショーン・コムズ(通称ディディ)が、性的人身売買や恐喝など数々の容疑で逮捕・起訴された。このニュースはジェフリー・エプスタイン事件を想起させるものとして大きな衝撃を与えている。エプスタインは未成年女性を利用した性犯罪や恐喝を繰り返していたとされ、政財界の大物やセレブたちを巻き込んだ“闇”が暴かれつつあった最中に獄中死を遂げた人物だ。その事件に匹敵、あるいはそれを超える新たな疑惑が、ディディの「フリークオフ(Freak Off)」と呼ばれる乱交パーティとともに浮上している。
ディディはラッパーとしてデビュー後、プロデューサーや実業家としても成功を収めてきた。音楽レーベル「バッド・ボーイ・レコード」を手がけ、数々のスターを輩出。また、彼自身がホストを務める豪華絢爛なパーティの数々はマスコミやSNSで頻繁に取り上げられ、一大イベントとしての地位を得てきた。だが今回逮捕・起訴された件で表面化したのは、そのパーティが時に薬物の濫用や性的虐待の温床にもなっていたのではないか、という疑惑である。
メディアやネット上には「“ブラック・エプスタイン”と化したディディ」という言葉が飛び交い、実際にニューヨーク連邦検察当局は、今後ディディの過去十数年にわたる私生活およびビジネス上の関係を徹底的に調べる構えを見せている。120名以上もの被害者が名乗り出ているという報道もあり、もし事実ならこの数の多さは“闇の組織犯罪”と呼ぶにふさわしいとさえいえるだろう。

「フリークオフ」の実態:華やかなパーティの裏に渦巻く狂気
ディディの開催していたフリークオフについては、以前から断片的な噂があったものの、ここにきて具体的な証言が次々に浮上している。米国の大手メディアによれば、逮捕後の家宅捜索でケタミンやMDMAといった違法薬物が相当量押収されたほか、点滴や膨大な量のベビーオイル、潤滑剤まで用意されていたという。しかも複数日間続く乱交イベントのなかで、女性は暴力的かつ強制的に行為を強いられ、拒否すれば殴られたり脅迫されるケースが後を絶たなかったとされる。
さらに、参加者のなかには未成年者も含まれていたというから、この問題の根深さは想像を絶する。弁護士側は「女性たちは合意のうえで参加していた」と主張しているが、当事者たちの証言の多くは明らかに「合意など存在しなかった」と語っている。実際に「フリークオフ」の会場となったホテルのスイートルームやプライベート邸宅では、参加者たちが携帯電話を没収され、内部で行われる行為について一切記録や証言を持ち出せないように管理されていたとのことだ。
また、体力が消耗し続ける数日間の乱行パーティの合間には、特設のルームで点滴を受けさせられたり、アルコールや薬物を自分の意思とは無関係に摂取させられる被害も報告されている。こうした状況を見れば、フリークオフは“ディディの気まぐれな乱交パーティ”などという軽いものではなく、あらかじめ周到に準備され計画的に実行された組織犯罪的イベントだった可能性が高いと考えられているのだ。
英国や欧州でも開催? 広がる国際捜査の波

フリークオフは米国国内だけにとどまらず、ヨーロッパ各地でも行われていたという証言が浮上している。
「私はアトランタからマイアミ、さらに海外のパーティにも連れて行かれ、強要され続けた」
と話す男性セックスワーカーが検察との司法取引に応じ、そのパーティで撮影されたとされるビデオのコピーまで提出したと報じられたのだ。
この証言を受け、英国のスコットランドヤードも独自の捜査に着手。現地で同様の被害を受けた人々がいないかを調べ始めたという。もし国際的なセックス・トラフィッキング(人身売買)ネットワークが存在していたとすれば、今後さらに多くの被害者が表に出てくる可能性がある。欧米をまたぐ一大スキャンダルとして、捜査は一層過熱している。
ディディと親しかったセレブたちが震える理由

ディディは多くのミュージシャンや俳優、スポーツ選手と親交が深く、その繋がりの広さは音楽業界だけでなく政界やビジネス界にまで及ぶ。特に「フリークオフ」の録画映像が証拠映像として検察の手に渡ったことで、映像に写っているセレブたちは戦々恐々だと噂されている。
米メディアによると、ビデオ流出を阻止しようとする大物たちが高額の金銭を用意し、「ビデオを買い取りたい」と申し出ているとのこと。さらに、一部のテレビ局までもが流出ビデオやスチール写真を入手すべく暗躍しているという情報もあり、闇の勢力とメディアの思惑が錯綜している。その一方で、押収されたビデオを確認した弁護士や検察関係者の中には、「想像を超える行為が記録されている」と語る者もいる。
より知名度が高い男性セレブがディディと濃厚な行為をしている姿が映っていたとの噂もあり、ネット上ではジャスティン・ビーバーなどの名が噂されている。もちろん本当にビーバーなのかは不明だが、もしそうした有名セレブが「フリークオフ」での行為に関与していたとすれば、そのインパクトは計り知れない。
「あの大物俳優も口をつぐんでいたのか?」とささやかれる理由
ディディと長年の友人関係があると言われる大物俳優の名前としては、デンゼル・ワシントンが浮上している。2003年、ディディ宅で開かれたパーティに愛妻同伴で出席した際、深夜に口論となってしまったという過去がある。ワシントンはその場で「お前は誰もリスペクトしていない」と激昂して帰ったとされるが、その時点で「フリークオフ」なる乱行を見かけたのかどうかは定かではない。
しかし、もしデンゼル・ワシントンのような人格者のイメージが強い俳優までもが、フリークオフの存在を把握していたにもかかわらず沈黙を守っていたとすれば、一連のスキャンダルがさらなる波紋を呼ぶことは避けられないだろう。ファンからの信頼が厚い俳優だけに、その影響は甚大になると推測される。
意外にも捜査対象から外れたアシュトン・カッチャー

ディディのパーティにしばしば顔を出していたと噂されるアシュトン・カッチャーは、過去にインタビューで「とてもじゃないが全部は話せない」と意味深な発言を残している。YouTubeのトーク番組で、ディディのパーティについて「奇妙すぎる」と表現し、詳細を語るのを躊躇していたが、その真相を詮索する声が多いのは当然だろう。
ただし最新の報道によれば、アシュトンは連邦捜査当局のターゲットからは外れたとされ、ディディの裁判で証人召喚を受ける可能性も消えたという。アシュトン自身、別の事件で服役中の元親友ダニー・マスターソンを擁護したことで世間からの批判を浴びていた最中だけに、ディディ事件への巻き添えを回避できたのは本人にとって僥倖だったかもしれない。
ジャスティン・ビーバーとの関係、そして出回る偽曲の正体
ディディに見出されたアッシャーを師と仰ぐ立場だったジャスティン・ビーバーは、まだ10代の頃からディディと親しくしていたと言われる。15歳の時に「ディディと48時間を過ごす」という企画を自身のYouTubeチャンネルで発信しており、その中でディディは「未成年の少年に本当に見せられないものばかりだ」と冗談めかしていたが、今振り返れば不気味にも感じられる発言である。
逮捕後、ネット上では「Lost Myself at a Diddy Party」という“ビーバーが告白ソングとして歌った”とされる偽曲が拡散されたが、これはAI技術で作られたデマであることがメディアの調査で判明している。しかし、そのような偽情報が生まれる背景には、強引に乱交パーティへ巻き込まれていたビーバーの存在を疑う声が根強くあるからだろう。
女性スタッフや元恋人も共犯か?ディディを取り巻く“仲間”の存在
「フリークオフ」の場で口止めや脅迫が行われていたのは確かなようで、そうした後ろ盾となっていたのがディディの近しいスタッフや元恋人たちだと複数の被害者が証言している。中でもヤング・マイアミは、ディディの元恋人でありながら被害者の中絶を強制した疑いもかけられており、さらなる民事訴訟に発展する可能性があるという。
また、右腕と呼ばれる女性スタッフのクリスティナ・ホーラムが司法取引に応じたとの見方も浮上している。大々的な起訴状のなかに名前が出てきていないという事実から、検察側の重要証人として内情を語っているのではないか、と推測されているのだ。
もし彼女が「フリークオフ」を裏で仕切っていたことを証言すれば、ディディが行ってきた行為の具体的手口や、合意なき参加が組織的に行われていた事実が次々と明らかになるだろう。その結果、多くのセレブや大物実業家たちの名前がさらに連鎖的に浮上する可能性は拭えない。
殺人関与の陰謀論まで飛び交うディディの闇

ディディが元恋人キム・ポーターの死に関与しているという陰謀論は、以前から音楽業界の一部でささやかれてきた。加えてジェイ・Zやビヨンセとの“共犯説”を声高に叫ぶジャガー・ライトのような人物もおり、ネット上では真偽不明の情報が絶えず飛び交っている。しかし証拠不十分のため、これらはあくまでも憶測の域を出ないのも事実である。
それでも「今回のフリークオフ事件をきっかけに、殺人事件の真相に迫る証拠が明るみに出るかもしれない」と期待する向きもある。というのも、ディディは自己防衛と脅迫の材料として、“ありとあらゆるビデオ”を保存していたとも言われているからだ。何が入っているか分からないビデオテープの存在が、人間関係や事件の解明につながる可能性はゼロではない。
ディディの豪華パーティ全体がすべて違法だったのか?それとも一部?
ディディは豪華なパーティを多数主催していたが、そのすべてが「フリークオフ」だったわけではないという証言もある。元ダンサーのアドリア・シェリ・イングリッシュは、表向きには普通のパーティが進行しているように見えても、別室で小規模な乱交行為が行われていたとインタビューで明かしている。
つまり、多くのセレブは「ディディのパーティ」に参加こそしていたが、最奥で進んでいる猟奇的行為の存在を知らなかった可能性もあるというのだ。ここがディディ擁護派の弁護士が強く主張する点でもあり、「フリークオフは特定の仲間内だけで同意のもと行われていた」という言い分を裏付ける材料にもなっている。
とはいえ、ケヴィン・ハートのように、パーティ中に起きたハプニング(バスタブの女性の髪に火が燃え移った)を撮影してSNSにアップしようとしたり、寝室でディディとアッシャーをインタビューしていた映像が残っている有名人もいる。「何かおかしい」と感じつつも、どこかで止められない“狂気”と“強力な権力”が入り混じった状況だったのかもしれない。
オバマからトランプまで、広がるディディの政財界ネットワーク
ディディの交友関係はエンタメ業界に留まらない。オバマ元大統領との親交や、トランプ元大統領ともビジネス上の付き合いがあったとされる。トランプは対立候補であるカマラ・ハリス副大統領が「フリークオフ」に参加していたなどというフェイク画像を流したという報道もあり、混乱はさらに加速している。
だが、こうした“デマ工作”を見ればわかるように、誰が真実を語っているのかは極めて不透明だ。政財界の大物たちにとっても、セックス・スキャンダルは命取りになりかねない。今後の捜査がどこまで彼らに波及するのかは、注視すべきポイントだろう。
イーロン・マスクの“手のひら返し”が示す音楽業界の内情

テック業界の巨頭イーロン・マスクも、逮捕前までディディとの交友を誇示するかのように周囲に話していたが、容疑が表面化すると即座に「音楽業界はこんな事を知っていたのか?」とSNSで糾弾した。こうした態度に対して、ディディの悪行を告発してきたオーブリー・オデイが「友達に聞いてみれば?」と切り返したことも話題となっている。
このやり取りから見えるのは、ディディの周囲の人々は事件を知っていたか、あるいは何らかの怪しさを感じ取っていた可能性があるということだ。ただ、その“闇”に正面から切り込む人は少なかった。自身の立場やキャリアを守るため、業界ぐるみで“見て見ぬふり”をしていたのではないかという疑念も湧き上がる。
裁判はどうなる?留置場での長期収監が濃厚か
ディディの弁護団が幾度となく保釈請求を繰り返しているが、そのたびに判事はこれを却下。理由としては証人への威嚇・買収などの恐れが大きいと見做されているからだ。
担当判事が途中で交代し、現在はアルン・スブラマニアン判事が事件を審理する立場だが、彼は人権派弁護士としても知られる高潔な人物だという。もし証拠と証言が固められ、ディディの犯罪行為が明白になれば、一気に有罪判決まで突き進む可能性は十分にある。
また、RICO法(組織犯罪に適用される法律)が適用される動きもある。これはマフィアなどの組織犯罪に対抗するための強力な法制度であり、単独犯行でなく複数人が関与した組織的行為であると認定されれば、量刑は非常に重くなる。ディディが長期の収監を余儀なくされるという見方も広がっている。
まだまだ闇を抱えるディディ事件の行方

“セックス・トラフィッキング”と強制乱行の疑いに加え、音楽界やセレブ業界全体を巻き込む黒い噂が後を絶たないディディ事件。今後の捜査の進展にともない、更なる被害者の告白や大物セレブの名前が出てくる可能性は高い。
一方で、陰謀論めいた主張も絶えず浮上しており、どこまでが事実で、どこからが推測なのか、現時点でははっきりしていない情報も多い。たとえば、ディディが政界やビジネス界の人物の弱みを握るためにビデオ撮影を積極的に行っていたという説は根強いが、具体的なテープが裁判でどこまで採用されるかは未知数だ。
ただし、これまでに複数の女性が司法取引や被害届提出に動いている事実、そしてヨーロッパにも捜査の手が伸びている事実から見れば、全容が明るみに出るのは時間の問題だともいえる。ディディがこれまで築き上げてきた膨大な資産と人脈を使い、どれほど自身を守ろうとしても、司法のメスは大きく入り始めている。
もし検察が「フリークオフ」ビデオを証拠として正式に提出し、そこに強制性や未成年者の関与がはっきり映っていれば、ディディの反論は極めて難しくなるだろう。逮捕直後から自殺防止監視下に置かれているという彼が、長期の法廷闘争をどう切り抜けるのか。果たして、これほど巨大な“セックス・スキャンダル”がどう決着するのか。音楽業界のみならず、世界中の人々が注目している。
推測と真実:今後に待ち受ける波紋
今回の事件は、米国エンタメ業界に根付く差別や性暴力、権力による隠蔽体質など、多くの問題を再浮上させている。一方で、強い権力を持つ大物セレブや実業家を追い詰めるには相応の証拠と多くの証言が必要となり、裁判開始までにはまだ時間がかかりそうだ。
証拠不足の段階で憶測を拡散することは危険だが、続々と出てくる当事者の告白や関連人物の証言は、「フリークオフ」の闇が限りなく黒に近い可能性を示していると言わざるを得ない。被害者が名乗り出る理由を考えれば、彼女(あるいは彼ら)にとって決して小さくないリスクを負っているはずだ。それでも前に進み、強力な権力をもつディディを訴えようとしている事実が、この事件の深刻性を物語っている。
今後の捜査次第では、新たに殺人や行方不明事件への関与が取り沙汰される可能性もあり得る。そうした展開を容易に想定する声がある理由は、ディディのこれまでの言動や周囲の不審死がこれまでにも度々取り沙汰されていたからだ。もちろん現時点では証拠が出ていないため、あくまでも推測の域を出ない。しかし、多くのジャーナリストや被害者団体が積極的に情報を収集している以上、闇に葬られてきた事実が公になる日は近いかもしれない。あらゆる角度から捜査・取材が進めば、思いもよらない新事実が浮上してくる公算は大いにある。
そして何よりも重要なのは、フリークオフに巻き込まれた被害者たちの尊厳と声だ。政治的駆け引きや金銭的決着ではなく、彼ら彼女らが求めるのは真実の公表と正当な裁きであるはずだ。ディディの無実を主張する弁護団は、あくまでも「合意のうえで行われていた」「ディディの独特のライフスタイルの範疇」と言い張るだろうが、それを覆すだけの証拠が今後提示されれば、一連の騒動は「単なるスキャンダル」では終わらない。アメリカのエンタメ史に残る重大事件として深く刻まれる可能性が高い。
まだ見えない闇の深さと、揺れ動くセレブ界
一連の報道からうかがえるのは、ディディ逮捕と「フリークオフ」の実態が、これまでのセレブ・ゴシップの常識をはるかに超えた深く危険な闇であるということだ。単なる「怪しげなパーティ」や「セクシュアルな暴露」程度ではなく、人身売買や未成年への性的虐待といった重大犯罪にまで発展する可能性が高い。政財界やエンタメ界との繋がりも含め、闇の根は複雑かつ長大なものになると推測される。
多くの人がディディと距離を置き、また情報を漏らすことを恐れつつも、今回の捜査をきっかけに過去の被害体験を語り始めた人が少なからずいる。この流れが加速すれば、ディディを中心とする巨大権力とその関係者の実態がさらに明らかになり、音楽業界やセレブ業界が大幅な浄化を迫られる可能性もある。
反面、ディディに関わる陰謀論や憶測も絶えず飛び交い、全容把握にはまだ時間がかかりそうだ。裁判は早くとも2025年以降に本格始動するとみられ、それまでにどれだけの証拠や証言が積み上げられるのかが極めて重要になる。
真実が明らかになれば、米国だけでなく世界を巻き込む一大スキャンダルとなることは間違いない。今後も捜査当局や各メディアから次々と飛び出すであろう新証言や証拠に、さらに大きな衝撃が走る可能性が高い。果たしてディディは本当に“第二のエプスタイン”なのか。あるいはそれを上回る闇を抱えた“史上最悪の加害者”として裁かれるのか。この先の展開を見届けるには、まだまだ長い道のりとなりそうだ。